えどがわエコセンターとは

ラムサール条約登録湿地【葛西海浜公園】

 

東京都江戸川区内にあるラムサール条約登録湿地を知っていますか?

江戸川区の一番南に位置する葛西海浜公園は2018年10月に国際的に重要な湿地として、東京都で初めてラムサール条約湿地に登録されました。

えどがわエコセンターでは、ラムサール条約登録湿地である葛西海浜公園の保全やPRのために様々な事業を行っています。

 

  

     登録の範囲(出典:東京都)          登録認定証

 

ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)の開催及び条約湿地の新規登録地について(環境省ホームーページ)

 都立葛西海浜公園が東京都で初めてのラムサール条約湿地に登録されました!(東京都ホームーページ)

 

 

ラムサール条約とは

1971年2月2日イランのラムサールで採択された、湿地に関する国際条約です。正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいますが、採択地にちなみ一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。

ラムサール条約では、生きものの生息地として重要な湿地を守っていくだけでなく、地域の人々の生業や生活とバランスのとれた保全を進めるために、賢明な利用(ワイズユース)を提唱しています。

 

   ラムサール条約の3つの柱

 

■世界で登録されている湿地  2,518箇所

■日本で登録されている湿地  53箇所

(2024年7月22日現在) 

 

環境省_ラムサール条約と条約湿地 (env.go.jp)

 

 

葛西海浜公園

葛西海浜公園は、干潟を守り、都民と海とのふれあいの場として、1989年に葛西臨海公園と同時にオープンしました。2つの人口なぎさ(西なぎさ、東なぎさ)があり、三枚洲などの自然環境を回復・保全するために整備されました。

 

公園の概要

【開園】1989年6月1日

【場所】東京都江戸川区臨海町6丁目地先

【広さ】約412ha(東京ドーム87個分)海域が沖合2kmに広がっています。

    ※ラムサール条約には東なぎさと海域が登録されており、その広さは全体の約9割を

    占める367ha(東京ドーム78個分)あります。

 

葛西海浜公園公式サイト(葛西海浜公園パートナーズ)

 

   

    1972年頃の葛西沖         1995年頃の葛西沖

 

公園パンフレット(葛西海浜公園ホームーページ)

Kasai Marine Park leaflet(葛西海浜公園ホームページ)

 

 

葛西沖の昔の風景

かつて葛西海浜公園のある葛西沖は江戸前の魚介類が水揚げされ、「葛西海苔」も収穫される豊かな海でした。潮干狩りや海水浴、舟遊びなどで賑わいを見せました。

 

   

 (提供:江戸川区郷土資料室)

 

 

海が汚れてしまった時期

東京の都市化が進み、工場からの排水などにより東京湾の汚染が進み、葛西沖でも漁業ができなくなりました。また、葛西地区では高度経済成長の建設ラッシュで出た大量の残土や産業廃棄物が捨てられました。

 

 (提供:江戸川区郷土資料室)

 

 

葛西沖の現在の風景

現在では、葛西地域の先人たちによる海復活への努力や、三枚洲の自然回復を目的とした葛西海浜公園の整備により、多くの水鳥をはじめとする様々な生きものの楽園となっています。

 

  

 

 

ラムサール条約湿地登録

葛西海浜公園は9つの国際基準のうち、3つの基準を満たしていることからラムサール条約に登録されました。

 

①定期的に2万羽以上の水鳥を支えている湿地

②水鳥の1種または1亜種の個体群の個体数の1%以上を定期的に支えている湿地

③生活環の重要な段階において動植物種を支えている湿地

 

冬になると2万羽以上のスズガモが観察され、カンムリカイツブリも全世界に生息する数(推定生息数37,500羽)の1%以上が観察されています。

 

        

スズガモの群れ(撮影:日本野鳥の会東京)      カンムリカイツブリ

 

葛西海浜公園で見られる生きもの

 鳥類

  

      スズガモ          コアジサシ       クロツラヘラサギ

                (撮影:葛西東渚・鳥類園友の会)       (撮影:中島喜久夫)

 

底生生物

  

     トビハゼ           チゴガニ        ユビナガスジエビ

 

 

魚類

  

   イダテンギンポ         スズキ           クロダイ

 

ここで紹介する以外にもたくさんの生きものが生息しています。

 

 

葛西海浜公園保全活用計画

東京都は葛西海浜公園が2018年にラムサール条約湿地に登録されたことを受け、 地域や有識者の方々からの意見、都民からの意見公募を経て、今後の維持管理や調査活動等、干潟の保全及び利活用を進めるための方向性を示す「葛西海浜公園保全活用計画」を策定しました。

 

「葛西海浜公園保全活用計画」の策定について(東京都ホームページ)

 

 

ラムサール条約登録湿地に関するえどがわエコセンターの取り組み

 

東なぎさクリーン作戦

普段立ち入ることのできない東なぎさに船で渡り、漂着ごみの清掃活動や自然観察会を行い、豊かな自然環境が存在することを知ってもらうことを目的に春と秋の年2回実施しています。

   

 

船上観察会

屋形船を使用して葛西沖を船上から観察、また船内ではラムサール条約登録湿地について解説を聞き、昼食に江戸前料理を味わいます。登録湿地の豊かさや重要性を知ってもらうとともに、ワイズユースへの積極的な関りを促していくことを目的に実施しています。

   

 

 

葛西海浜・臨海公園 魅力発見・探検ツアー

ラムサール条約登録湿地である葛西海浜公園及び葛西臨海公園において、貴重な自然や生きもの、公園の解説などによって魅力あふれる葛西の海について学んでもらうことを目的に親子を対象として実施しています。

   

 

えどがわエコセンターで実施している取り組みは、様々な関係団体の協力を得て実施しています。

 

 

協力団体

 

葛西海浜公園で活動する団体

 

 

各種パンフレット

えどがわエコセンター発行

 

東京都港湾局発行